920の趣味雑記

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映画漫画アニメ小説とか自分の好きなものについて語りたいことを吐き出す場所。とりあえず書く。920で"くにお"と読みます。

『MEG ザ・モンスター』 うろおぼ映画感想

MEG ザ・モンスター(字幕版)

昨日の記事の最後で予告した通り、今日はデカすぎるサメ映画の話。

 

最初のうろおぼ映画感想はこれ。去年公開初日にこれと『アントマン&ワスプ』をはしごした翌日から体調を崩し、その4日後に入院しました。多分直接の因果関係は無い。多分。

 

うろおぼ映画といいつつこの前NETFLIXで配信始まったのでその時「ここどうなってたっけ?」と一部確認しました。うろおぼ映画1発目にしてさっそく企画の足元が危うい。まあそれはさておきまずはネタバレにならなそうな範囲での感想から。

 

近年シャークネードを始めとしていわゆるB級映画の定番ジャンルとして人気が高まっているサメ映画。もちろん中には良作もあるし『ロスト・バケーション』のような大傑作が出ることもあるものの、やはり粗製乱造作品が多い印象のサメ映画界に久々にちゃんと期待ができそうな作品として情報が出た『MEG』。

 

まずステイサムが巨大サメ・メガロドンと戦うってあらすじの時点で勝利が約束されたようなもんだよねこれ。情報が出た時は「これメガロドン応援した方がいい?」みたいな心配を見かけたような気もする(こういうところもうろ覚えということで)。

 

自分はステイサム大好きだしもちろん人喰い映画好きとしてサメ映画も大好物なので久々にちゃんと金がかかったサメ映画が観れる!と楽しみにして公開初日に劇場へ行きました。

 

想定してたよりもメガロドンの登場が早く、序盤から飽きさせることなく展開していくストーリーが面白いし、舞台となる施設での深海の描写も素晴らしい。「自分はちゃんとお金をかけて真面目に作られたサメ映画をスクリーンで観ている…」と感動しましたよええ。『ロスト・バケーション』以来だから3年ぶりか。

中だるみも感じさせず、良質のエンタメとして仕上がってるし、なおかつ(ステイサムを知っている)観客が期待しているステイサムvsメガロドンも想像以上のガチンコバトルを見せてくれるので人にも自信を持って勧められる作品です。最初の方に書いた通り、現在NETFLIXで配信中なので未見の方はぜひ(2019年7月13日現在)。

 

以下ネタバレというかラストまでの展開に触れた感想

 

 

 

 

 

 

 

 ~以下、真の感想~

 

 

 

 

 

 

 

ここからは結構自分の「映画における人喰い描写」についてのこだわりも書いたりしてるのでその辺は人喰いフェチじゃない方は生暖かい目でスルーしてください。

 

 

けっこう不満点ぽろぽろ書きます。いや人に自身を持って勧められるって言ったじゃねーかって突っ込まれるのは承知してるんだけど、これは嘘じゃないです。実際ストーリー自体は物足りなさはちょこちょこあれど一級品の上質エンターテイメントとして仕上がってるんです。だから普段あんまり映画を観ないような友人(いるかどうかは別として)にも勧めれます。

 

 

 

ただその物足りなさが自分にとっては他の映画で感じるそれとは比較にならないほどに物足りないんですよ

 

 

それは人喰い描写の物足りなさ。サメ映画だから当然人が食べられるシーンはあるわけで、当然それは人喰い映画大好きの自分としてはその描写については期待してたわけで。ただ全年齢対象作品だからそこまで凄惨でスプラッタな描写までは期待してなかったし求めてなかった。

 

で、実際観た結果。

 

なんですかこの雑な人喰い描写は

 

やはり作中のメガロドンがポスタービジュアルのとおりクソデカいので『ジョーズ』や『ディープ・ブルー』のよう人間食べるときはどうしても丸呑みになってしまうわけなんだけど、それが水中なのもあって錠剤を水で流し込んでるようにしか見えないんですよ。どうせ丸呑みにするなら『ディープ・ライジング コンクエスト』(だったはず)でやってたみたいに小型船ごと丸呑みするくらいやって欲しかった。ちなみにこっちの作品もメガロドンの映画だけど色々とチープで雑なのでそういうのが好きでなければおススメはしません。自分はなんか憎めなくて好きですが。

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まあ個人を狙って食べにいくときにそうなっちゃうのはまだ予想できる範囲だからひとまず置いとこう。

 

海中で食べるのがダメなら空中で食べればいいじゃない

 

ほら、MEGの数か月前に公開された『ジュラシック・ワールド 炎の王国』でもアバンでモサちゃんがヘリのロープにぶら下がってた人に飛びついて食べてたじゃん。あれは良かったなあ…

 

で、実際それをやるチャンスが中盤にあるわけですよ。船をひっくり返されて犠牲者を出しつつも小型ボートで施設に戻ろうとする主人公一行を援護するためにヘリがMEGを追っ払おうと海面近くで銃撃するシーン。劇場でハラハラしながら観てた時は当然その後MEGがヘリにかぶりついて撃墜or射撃のため身を乗り出してる人をジャンプして喰っちゃうのを期待してたのね。自分でもそんなんで追い払えるはずなかろうと思ってたところでキャラも「マシンガンで追い払えるの?!」と叫んだので、これは来るぞ…と思ってた。

 

思ってたのよ。

 

結局MEGは海面付近でグルっとしただけで退散。

 

 

お前さっき人ひとり飲み込みつつ船上のお仲間の死体にかぶりついてその勢いで船ひっくり返す大ジャンプしてたやんけ!!その勢いはどこいった?!

 

海上のヘリにかぶりついてヘリ撃墜→MEGが墜落したヘリにかぶりついてる隙になんとか主人公たち施設へ帰還、というのじゃダメだったの?海面に飛び出してきて船転覆させるのでもインパクトあったけどそれに追い打ちかけるようにさらにMEGの規格外、桁違いのヤバさを演出するタイミングだったと思うんだけど…

水上に人いるから錠剤飲むみたいにならないよ…

 

次ィ!

 

この手の映画でありがちな利己的な出資者のおじさん。今回は軍に退治してもらうことになったとかいいつつ騒ぎがデカくなるのがいやでじぶんで部隊を調達してMEGを殺そうとします。まあ誰もが予想する通り失敗に終わって喰われるわけなんだけどまたその喰われ方がね…

クジラの死骸につかまってたところをそのままパクっとだっけ?とにかく捕食シーンに見栄えが無い。加えてやっぱり人喰い映画に出てくるこういうキャラはちゃんと絶望感を味わって喰われてほしいんです。それこそなんとか小型ボートで逃げようとしたけどボートごと喰われるとか。ヘリで逃げようとするけどMEGアタック食らってふらつくヘリにぶら下がってるところをジャンプで喰いつかれて千切れた腕が残るとか。

 

うん、とにかく美味しいシチュやキャラはいっぱいいるのにその辺全部スルーされるのでほんとモヤモヤするんだよね…

 

しかし予告でもあったようについにMEGは人々が集まる海水浴場へ

 

ここまで溜めた分海水浴客数十人を一気食いとかしてくれるに違いない!

 

…そう思ってた時期が僕にもありました。

 

結論としてうんこだったよ。もう疲れてきたからうんこでいいよ。なんだよまともに喰われたっぽいのがビニール級に入って遊んでた男1人って。

 

浮き輪でぷかぷかしてるぽっちゃり体形の男の子が出てきた時点で嫌な予感はしたんだよ。『MEG』は全年齢対象の映画。すなわち子供が犠牲になることはあり得ない。

 

案の定MEGが向かっていく浮き輪集団の中にはその子供がいて、あわや、というタイミングで主人公がMEGをおびき寄せることに成功!

 

成功!じゃねえよ!

 

予告で想定よりもMEGがはるかにデカいことがわかってたからなんだかんだで個人の捕食描写にはあまり期待せずに海水浴場で一度に数十人を一気に食べちゃうとかをやってくれると思ったんだよ!ポスタービジュアルや予告のラストでも海中から大口開けて浮上してくるめちゃくちゃ怖くてインパクト抜群のシーンあるじゃん!

 

そりゃアジャ監督のリメイク版『ピラニア』みたいな地獄絵図をやれとは言わないよ。でもさ、そこは演出でもカバーできたんじゃない?

 

浮き輪で海面に浮かんで固まってる海水浴客の真下から口開けて浮上するMEGを真上から→口閉じるタイミングでシーン切り替わって悲鳴→ちょうど大型船なりヘリなりで駆け付けた主人公たちの「何てことだ…」みたいな表情を見せる、とか。

 

考えてみれば同じく全年齢対象のジュラシックワールドシリーズでもかなり2頭に食い千切られたりかなりえげつない捕食シーンはあるんだよね。だから演出次第ではもっとちゃんと捕食描写はできたと思うんだよ…

 

最後に、捕食シーンの不満点ではないけどクライマックスでも民間のヘリがでてくるじゃない?

 

中盤のヘリは一応プロの人たちってことで実はギリギリ狙われないくらいの距離を保ってたってことで無理やり納得することにして、でも今回はスクープ狙いの民間機。

 

ヘリ撃墜も大好きな自分は、「お、これは調子乗って海面すれすれを飛んだヘリがMEGに食いつかれて墜落するやつだな」と思ってワクワクしてた。

 

結論としてヘリは墜落するわけだけどその原因は前方不注意による他ヘリとの接触事故。

 

なんじゃそりゃ。ここまできて不注意による事故って…冷めるわ…

 

一応その後は満を持してのステイサムとMEGのタイマンバトルで、ステイサムカッターとかマジの生身でのステイサムアタック、そして大ダメージを負ったMEGは血の匂いによってきた他の通常サイズのサメたちの餌食になるというオチのつけ方と、この辺はほのとに文句なしに面白い。

 

それだけに、それだけに人喰い描写の物足りなさが自分にとってあまりにもノイズになりすぎる。「『MEG』って映画、面白い?」と聞かれたら間違いなく面白いと答える。実際すごく面白いと思う。人喰い描写以外での物足りなさとかを感じるところはあるかもしれないけど間違いなく面白い作品だと思う。

 

ほんとにこの『MEG』は罪深い映画好きで集まって『MEG』観よう~ってなったら普通に観る。でも間違いなくモヤモヤする。人喰い描写の物足りなさに。

 

結局のところMEGはあまりにも大きすぎて、製作サイドがその大きさを存分に活かせなかったんだ。

 

巨大なモノはそれだけで畏怖、恐怖の対象たりうるもので、実際メガロドンというのはとても魅力的な題材で、それがアクションスターのステイサムと戦うというのは最初に書いた通りもうそれだけで勝利が約束されてたはずだった。でも結果としてその大きさが仇となってしまった(主に自分にとって)。

 

とりあえず今回こうやってブログ記事として吐き出せたことで少しはスッキリした気はする。まあでもまたTLでMEGの話題を目にしたら人喰いの物足りなさで発狂しそうだけど。

 

結論:MEGはジュラワシリーズのモササウルスの捕食描写を見習ってください。